コラム

COLUMN

WEBやSNSを意識した店舗ブランディング

サロン・デュ・ショコラ2020

はじめに

店舗のブランディングは、内装や外観にこだわることに意識がいきがちになりますが、「お店の魅力をどう伝えるか」を考えることも重要です。イベントやキャンペーンなどと連動させたSNSや、店頭でもらえるパンフレットやリーフレットのデザインも忘れてはいけません。ブランドの価値や思いを浸透させるためには、一貫したビジョンで伝えることが店舗ブランディングへの近道です。ここでは年に1度のイベント、チョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ2020」の取り組みをご紹介します。

1つのシンボル的なオブジェがクチコミを呼ぶ

インターネットの普及により、クチコミやSNSが店舗の来店客数にも影響する時代となりました。その分、店舗ブランディングをうまく築くことができれば、いい情報が多くの人の目に触れることで、大きな波及効果が生まれます。特に気軽で拡散されやすいSNSでクチコミが広がると、宣伝効果としても期待できます。

こちらは新宿伊勢丹のサロン・デュ・ショコラの会場入口。巨大なシロクマの撮影スポットが用意されていました。この大きなオブジェを目の前にすると、来場者の多くは立ち止まり、自然と記念写真を撮影したり、SNSにアップしたくなります。こうした1つの大きなシンボルを用意することで、それが撮影スポットとして機能し、ネット上でシェアされ自然な宣伝が広まります。

サロン・デュ・ショコラのメインビジュアル。店舗デザインで玄関のような装飾は、パンフレットでもやはり表紙に。こうして店舗デザインとパンフレットで代表的なデザインを揃えることで、会場と販促物の統一ができ、店舗のブランディングにつながります。

イベントと販促物の世界観が繋がることで、来場者の期待が高まります。会場内のメインビジュアルには、ショコラティエやパティシエの方たちのサインが書かれていました。こうした会場でしか見られないものは人気の撮影スポットになりますね。

ブランドの世界観を表現

イベントと連動させたパンフレットの見せ方も重要です。ブランドの世界観を表現するために、写真の撮り方や色合い、紙の質感などにも気をつけましょう。ビジュアルやデザインで、ブランドの思いをカタチにします。

メインブランドとなる商品は、パンフレットの最初のページの方で紹介。興味を惹きつけることがポイントです。サロン・デュ・ショコラでは、限定商品や日本未上陸のブランドなどを掲載。イベントへの関心が高まります。ユニークな串刺しショコラのビジュアルを大きく取り上げれば、購入者に寄るSNSと連動させた更新も狙えることでしょう。

また、パンフレットの装丁において最も大切なのは「表紙」です。これはレインボーペーパーを使用し、見る角度によって虹色に輝く特殊な紙になっています。パンフレットの顔となる表紙には、手触りに味わいのある紙や、中面で使われている紙とは別の紙を選ぶと良いでしょう。そうすることで、特別感を生み出し、手に取ってもらえる確率も高くなります。ブランドのイメージに合うような型抜きやエンボスなどといった紙の加工も上手に取り入れれば、より効果的なブランディングになります。

チョコレートが繋ぐ、人と人との出会い

7日間に渡って開催されたサロン・デュ・ショコラの今年のテーマは「出会い」。人気のショコラティエやパティシエの方々と会話ができるのも大きな魅力です。こうした機会は、サロン・デュ・ショコラでしか味わえないチョコレートが繋ぐ、人と人との出会いのひとつです。

こちらは来場者が書き込めるメッセージボード。メッセージボードは、一人ひとりの想いに共有したり、自分以外の書き込みを読む面白さもあります。例えば、おすすめチョコレートといった”生の書き込み”で購入を促したり、実際の店舗に来てもらえる効果もあります。また、気になる点や改善点などの意見も次回に活かす際の参考になります。

最近では、ネットだけでなくリアルな体験をいかに融合していくかが、店舗を運営していく上で重要になってきました。こうした百貨店やショッピングモールの装飾や取り組みを参考にしながら、自分の店舗のアイデアを練っていくのも良いでしょう。

今回のコラムテーマ

サロン・デュ・ショコラ2020

パリ発、チョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」
株式会社三越伊勢丹 主催
http://www.salon-du-chocolat.jp/